我輩は【ネコ】である。名前はもうある。@Titan
by Laoshu
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進行状況
*JOB*
75・モ62・シ70↑・66↑・忍46↑・黒47・吟33・餡16・狩侍11
*合成*
調理・93
*Misson*
PM・神を名のりて
ZM・AA戦(or神威)
SM・終了

<りんくうたうん>
*Blog*
アンのリラコサージュ☆
T de Q no F~盗賊編~
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最新TB
☆人魚の木乃伊☆(ちょっと読み物っぽい編)
「人魚の木乃伊の破片を集めて持ってきな。そうすればお前にいい物をやろう。」

ヒュームの伝説の人魚を思わせる、干からびた木乃伊の破片。それは不気味に光り、人ばかりでなく商売上手な獣人の中にもコレクターがいるという。その伝説の木乃伊を煎じて呑めば、不老不死の体が手に入る、と、いつしか闇のシンジゲートの長も収集するようになったという。しかし実は、高度な技術を保有するサハギン族が、オポオポやプギルの死体から製作した、精巧な細工物でしかない、と云われている。

しかし、そうと知りながら、その木乃伊をコレクトするものは後を絶たない。
そうして、冒険者に裏のルートを使い、それらを収集するよう依頼する者が現れる。ゴブリン族の女商人Peddlestoxである。

東方の伝説に、こういうものがある。
昔々、見世物屋の高田某という者がいた。彼は食うに困り、寺院から人魚の木乃伊を盗み出してそれを見世物にして利を得ようと画策する。月夜まんまと木乃伊を盗み出した高田は、海岸沿いでうら若い女と出会う。「それは私が八十年ほど前に産んだ我が子です、供養がしたいので返して欲しい。返していただけたなら、真珠でも珊瑚でも金銀でも何でも差し上げます。」と、彼女は言う。彼女の足を見ると、魚の尾のような形をしている。利に目が眩んだ高田は、あてにならぬ妖怪の言葉など耳に入ってはいなかった。彼女の胸に刃物を突き立て殺してしまったのだ。その後、人魚の木乃伊を見世物にし、多大な利益を得た高田は、富豪になっていた。しかし、話題になりすぎたのが仇になり、木乃伊を盗み出した寺にまでその話が伝わり、それによって高田は捕らわれ、死罪になってしまう。しかし高田は煮ても刺しても焼かれても、一向に死ぬことが出来なかった。実は、人魚の女を殺したとき、その肉を喰らってしまい、不死の体になってしまっていたからだ。なんという皮肉、彼は彼を呪い、苦しみ続けたと云う。



木乃伊のパーツを集め、ゴブリンの女商人の姿をした者に渡せば、その苦労の見返りとして宝が眠る場所を教えてもらえる。しかし、渡さずに彼女を殺し肉を喰らえば、高田某と同じ憂き目に遭うと、冒険者の間ではそういった心得なるものが口伝で伝えられる。




ミスラ族の冒険者で、赤魔道士や盗賊を職業とする老虎と云う者も、報酬を目的としてサハギンから人魚の木乃伊のパーツを収集する。

彼女の欲するものは「人魚の指輪」。不思議な力で、どんなモンスターの目も惹きつけて離さない妖力を放つその指輪は、盗賊としては致命的であるかのように見えるが、だまし討ちをする際、された者にその妖力が宿ると云われる。一人の盾に敵の攻撃を集中させ、その隙に強大なモンスターをも倒すという戦法が主流の今、この装備品は至極魅力的なものであるのだ。前回は真珠や獣人の間で使われる金貨、珊瑚のかけらしか見つからず、舌打ちをしたものだ。宝物、とはそういうものだと諦め、再度パーツをサハギンから集め、彼女が現れるのを待った。


「おや、またアンタかい。」
風曜日に現れた女商人はニヤリと嗤い、中々木乃伊を手放さないサハギンとの戦闘に傷ついた老虎を嘗め回すように見つめる。しかしパーツを渡し、検分したゴブリンのマスクの奥がキラリと光った。「ほぅ、今回も良い出来の物ばかりだね。いいだろう、コレを持って行きな。」そういって、老虎に地図を手渡し、女商人は何処かへと消え去った。

渡された地図を見ると、東の奥、ユタンガの火山の地下水が雪崩れ落ちる滝の麓付近にマークが付けてある。老虎は休む間も無く、その地点へと向かうことにした。早くしなければ、どこの誰とも知らぬ物が偶然その宝を見つけ、掘り当ててしまうかもしれないと思ったからだ。

いくつもの蒸し暑く湿った洞窟を抜け、霧深い樹林を駆け、背高く茂る草々を掻き分けようやく、拓けた滝前に到達する。汗だくになった手に握り締めた為に擦れ、インクが落ちかけた地図を見返し、彼女は辺りを見回す。

熱波が肌を焼くが、老虎はお構いなしに地面を見つめる。茂った草の中に僅かな隆起を見つけ、つるはしを振り下ろす。ガキ、と手に硬い感触を覚え、老虎の緊張がさらに高まる。今回こそ指輪を手にし、今後の狩りを楽にしたい一心なのだ。箱を壊さぬよう慎重に手で周りの土を掘り下げ、土と草の匂いに塗れ、ミスラ族特有の鋭く尖った硬い爪にも湿った土が食い込む。ようやく取り出した箱のカギはすでに朽ち、造作なく開く。腕一抱え程の大きさの木の箱の内部は布が張ってあり、外見に似合わず内部は侵食が全くない。防腐紙に包まれた僅かな戦利品を取り出し、慎重に開いてゆく。

獣人ミスリル貨、名の判らぬ透明な石、僅かなギル。その中に紛れて彼女の求めるものがあった。「人魚の指輪」である。

彼女は歓喜した。全身の毛が総立ち、傍目にはやや老虎自身の輪郭がぼやけた様に見えただろう。外見は何の変哲もない、サソリの爪を削って出来る指輪と同じ見かけだ。しかし、老虎の目には、それは異様な黒い影が指輪全体に纏っているように見える。

老虎は思った。
あのゴブリンの女商人が妖怪であるにしろないにしろ、人魚と関わりのあるものではないだろうか、と。そして、女商人自身がこの宝箱を埋め、それを餌に冒険者に木乃伊を集めさせ、その中に本物の木乃伊があるとすれば、それを海に還しているのではないか。そうでなければ「人魚の指輪」などという一風変わった指輪など、こう簡単に手に入れられるわけがない。真相はわからぬ。知る由もないのだ。老虎は忘れることにした。ただ、木乃伊を欲するゴブリンがいただけの話だ。

老虎には、過去の話になってしまった指輪の顛末である。今でも老虎の鞄の隅で「人魚の指輪」は出番を待っている。
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by laoshu | 2005-06-19 22:09 | FF:装備
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